登場時はオプションでもCDの再生機能はなかった
カローラセダンを30年以上乗り継いできた筆者は、昨年9月に新型カローラが正式デビューする前に、セダン1.8Sを予約購入した。いまでも「これでカローラなの?」と周囲のひとから聞かれるほど、かなり“立派”になった新型カローラ。ボディサイズが3ナンバーになっただけではなく、装備が充実しダッシュボードも久しぶりにソフトパッドが復活するなど、見た目の質感も大幅に向上した。
自他ともに認めるカローラフリークである筆者は、樹脂フルキャップのついたスチールホイールが好きなのだが(ホイールキャップは縁石などに擦ったらすぐ交換できるため)、今回はスチールホイールを採用する廉価版となるG-Xでは装備が不足気味だったので、中間のSを選ぶと、なんとアルミホイールが標準装備。さらに4輪ディスクブレーキやダブルウイッシュボーンサスペンションの採用に驚かされた。
おおむね大満足しているのだが、唯一気になったのがオーディオ。新型カローラシリーズでは、トヨタで初めてディスプレイオーディオが標準装備された。音楽アプリを使ってスマホにダウンロードした音楽を手軽に再生できる機能があるのだが、音楽再生機能はそれだけ、つまりCDの再生機能がオプションでも設定されていなかった。
いまどきデビューする新車なのだから、トレンドとしては“アリ”なのかもしれないが、筆者は運転免許を取得してからすでに35年ほど経とうとしており、その間にはお気に入りのドライブ用CDアルバムを歴代乗り継いできたカローラに搭載してきた。いまどきの若いひととは異なり、すでにCDというメディアでお気に入りの音楽をそろえているのに、再生機能がないからと、わざわざお金を払ってダウンロードするのには、やはり違和感しか覚えなかった。
しかも、標準で再生できるアプリは若者向けなので、オジさん世代の筆者の好む楽曲のラインアップが手薄なのも気になった。新車開発の段階でトレンドを追いかけるのはやむを得ないとしても、カローラという50年以上の歴史あるモデルで、年配層のユーザーも多いことを考えれば、CD再生機能が標準搭載されなかったのには、開発サイドの“イマジネーション不足”があったのではないかと感じざるをえない。