それじゃあくまで男性目線! 小型車にありがちな女性が「これじゃない」と思う装備5つ (2/2ページ)

サイズや素材を変えれば使える装備も!

 3つ目は、よくシートの座面の下についている、引き出し式のボックス収納。靴を入れておくのに便利です、なんて書いてあるんですが、ぶっちゃけこれも、女性には微妙です。まず、ムーヴキャンバスの後席についているような大きめのボックスならいいんですが、たいていのクルマの引き出し式ボックスは小さくて、めっちゃ足が小さい女性の靴しか入りません。しかも、高さ的にスニーカーは厳しくて、フラットシューズがやっと。私の24.5cmの靴なんて、まったく入る気配がないから悲しくなってしまいます。

 そして、たいていは助手席の座面の下にあるのですが、運転席に座ったまま出し入れするのはけっこう大変。かといって、わざわざ助手席側にまわるのも面倒。もし誰かを助手席に乗せていたら、出し入れするのも遠慮しちゃいます。折りたたみ傘とか雑巾とか、滅多に使わないものを入れてるという女性が多いのも納得ですね。せっかくなら、N-WGNのように後席のシート下ぜんぶが大きな収納スペースになっている方が、いろいろ使えて嬉しいと思います。

 4つ目は、女性向けというとすぐコロンと丸いモチーフのインテリアになりがちですよね。ダッシュボードもインパネも斜め、ドアパネルも斜めに傾斜がついてしまっている場合が多くて、これが女性には困ること多数なんです。というのは、あんまりお行儀がいいとは言えませんが、目的地について外に出る前に、運転席でお化粧をしたり、日焼け止めを塗る女性は実際には多いんです。なかにはマニキュアを塗ったりヘアアイロンで髪を巻くというツワモノな女性もいるほど。

 その時に、ないと困るんですよ、平らなところが。キャップを開けたままのクリームや日焼け止め、アイシャドウなんかをしっかり置いておけるテーブル代わりの場所が必要なんです。なのに、見た目の可愛さ優先でなんでもかんでも丸くしやがって~と、内心では文句タラタラですよ。だから、デイズやルークスのセンターパネルに引き出し式のスライドテーブルがついていた時には、「わかってますね」と感心しちゃいました。じつは、営業マン御用達のプロボックスにもスライドテーブルがあるんですが、それは車内で報告書を書いたり、お弁当を食べる時のためだそうです(笑)。

 5つ目は、これはちょっとお高めのクルマや輸入車に多いのですが、サングラスケースです。よく、運転席と助手席の間の天井についていて、指でプッシュするとクルッとケースが出てくるのありますよね。便利そうだな~とは思うのですが、実際には、女性が使うサングラスが入った試しがないのです。

 女性用はレンズが大きめだったり、カーブがついているものが多いからでしょうか。それに、もしサイズ的に入ったとしても、プラスチックむき出しのところに入れたらレンズに傷がつきそうだなと心配になります。内側に布やフェルトでも張ってあればいいですけど、その辺りもちょっと女性からすると敬遠したくなりますよね。せっかくつけてくれるなら、ちゃんと女性向けの大きめのサングラスが入るサイズで、内側にも傷防止の配慮があるものを望みます。

 というわけで、気を使ってくださっているのはわかるのですが、女性にはちょっと残念な装備たち。時代とともに変わっていくものもあれば、もう少し工夫してくれたら使えるのに、と思うものなどいろいろですね。いずれにしても、ユーザーひとりひとりの声がそうした装備を進化させていくことは間違いありません。使いにくいなと思ったら、ぜひメーカーにその声を届けていきましょう。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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