優雅に「見せてるだけ」で意外と面倒くさい! 超高級車乗りの知られざる「苦労」とは (2/2ページ)

駐車場所や乗り降りにも気を使う

 続いて、高級車で出かけると駐車場選びも面倒になります。スポーツタイプのクルマなら最低地上高が低い場合が多いので、立体駐車場など急なスロープのあるところは難しかったり、ドアパンチを懸念して混雑しやすく人の出入りが多いエレベーターホールの近くなどには停めないようにしたり。また、車上荒らしや盗難などの恐れもあるので、駐車場のセキュリティにも注意が必要。警備員が常駐していたり、監視カメラがあったり、そうした場所を選んで停めたいところですね。そうなると、出かける目的地も限られてしまうので、リスクを抑えようとするとなかなか不自由なのが高級車かもしれません。

 そして次に、高級車はそもそもボディサイズが大きいものが多く、ドアも大きいので、乗り降りの際にとても気を使います。駐車枠が狭いところだと、隣りのクルマにドアをぶつけないよう、最小限の隙間から身体をよじって乗り降りしなければいけなかったり、なかなか優雅にはいかないんですよね。また、ガルウイングなどのように跳ね上げ式のドアはカッコイイですが、閉める時はけっこう力が必要で、エイッと引き下げる時はさしずめ筋トレのよう。「二の腕に効きそう」って感じです。テスラ・モデルXのように電動開閉ならいいですけどね。

 さらに、これは「本当のお金持ちは意外にケチだ説」にも当てはまるのですが、本心ではガソリン代を1円でも安くしようと、特売日やサービスデーに合わせて給油したいと思いつつも、まだちょっとしか減ってないのに給油するのはカッコ悪いなぁ、という恥ずかしさもあって、入れようかどうしようか葛藤していると聞いたことがあります。確かに、ガソリンスタンドに高級車が入ってきて、数百円とか数リットルの給油だったらちょっと「エッ」と思いますよね。

 そして最後に、高級車がガソリン以上にケチりたくてもケチれないのが、洗車なんです。みんなに注目されるからには、常にピカピカの状態でいたいものですが、きれいな塗装を保ちたければ、ワンコイン洗車機にぶち込むなんて、もってのほか。ボディに細かな傷がついてしまうかもしれないし、洗剤やワックス剤が落としきれていないこともあるかもしれないし、基本は手洗い洗車にしたいところなので、やっぱり1回の洗車にお金がかかります。自分でできるところはこまめに汚れを落としたり、コーティング剤をして日頃の洗車の回数を減らしたりと、けっこう自分で努力をしている人もいるようです。

 というわけで、高級車がゆえの面倒くさいポイント、いかがでしたでしょうか。はたから見ていると優雅で憧れてしまう高級車ライフですが、こうした陰の苦労や努力が意外にあるんですね。やはりなにごとも、日頃の努力なしには成し得ないということでしょうか。いつか乗れる日がくることを夢見て、そうした気持ちを忘れないようにしたいものですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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