「アクア」から「フィット」など他メーカー車への乗り替えは「下取り」で損をする? (2/2ページ)

メルセデスベンツは値引き額を増やす戦略

 メルセデスベンツの店舗では「レクサスの販売店は、レクサス車については高い金額で下取りする。その代わり値引きは少ない。弊社はそこを突き、値引き額を増やすことで対抗している。レクサスからメルセデスベンツに乗り替えるお客様も少なくない」という。

 また日本車メーカーの販売店からは、次のような話も聞かれた。「今はあまりやらないが、以前は新型車を発売した直後など、強力なライバル車に関しては下取り査定額を3〜7万円高めることがあった。他社製品を自社のクルマより高く買うのだ。ライバル車から自社製品に乗り替えてもらえば、相手メーカーの保有台数は1台減り、弊社は1台増えて2台の差が付く。販売に勢いのあった時代には、コストを費やして相手メーカーのお客様を奪うこともあった」と振り返る。

 アクアからフィットに乗り替える時は、まず買い取り店で、愛車のアクアを査定させる。買い取り店は常に中古車市場を相手にしており、正確性の高い査定をするからだ。今は販売会社の査定も正確になったが、その前に買い取り店に出向くと、愛車の客観的な市場価値を把握できる。

 その次にフィットを扱うホンダカーズで査定を受けるが、アクアからヤリスに乗り替えることも想定して、トヨタの販売店でも査定させると良いだろう。そうすれば他社の下取りは損なのか、それほどでもないのか、買い取り店の条件は良いのか、ということも含めて愛車の価値を多角的に判断できる。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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