
ショーファーカーの役割が高級ミニバンにシフトしている
最近、高級セダンの常識が変わってきた。メルセデス・ベンツのAMGパッケージや、レクサスのFスポーツに見られるような、スポーティな走りの追求だ。車内のゴージャスさだけでなく、キビキビした走りを兼ね備えたモデル設定が当たり前になってきている。こうしたモデルは、ドライバーが自ら運転するドラバーズカーだ。ボディサイズは大きくても、それを自らで操る楽しさを追求する。
一方で、高級セダンには、ショーファーカーという分野がある。ショーファーとは専属運転手さん。いわゆる、“お抱え運転手さん”のことだ。日本車でショーファーカーといえば、究極にはトヨタ「センチュリー」があるが、個人タクシーなどで考えると、長年に渡り「クラウン」が定番で、以前は日産「シーマ」や「セドリック/グロリア」もいた。
そうした、後席でゆったり過ごすショーファーカー役割が、高級セダンから「トヨタ・アルファード/ヴェルファイア」や「トヨタ・JPNタクシー」など、高級ミニバン、または利便性の高いミニバンに移ってしまった。そのため、高級セダンの位置付けが変わってしまった。ドライバーズカーとしての高級セダンが、必要になってきたのだ。