エンジンの回転に比例して車速が伸びなくなる症状
エンジンとミッションの間にあって、エンジンの回転力を接続したり切り離したりする仕事をしているクラッチ。MT車の場合は変速時だけでなく、発進時も半クラッチを使うことでスムースな発進を実現している。
このクラッチ、普段=クラッチペダルを踏んでいないときはフライホイールに圧着することで動力を伝えているわけだが、クラッチ操作が荒かったり走行距離が伸びてくると、クラッチフェーシング(摩擦材)がすり減り、圧着力が落ちてきて、クラッチペダルを踏んでいなくても半クラッチのような状態が続き、アクセルを踏み込んだとき、エンジンの回転は上がるのに車速はそれに比例して伸びていかないという症状がでる。これがいわゆる「クラッチが滑る」状態。
初期の頃はエンジンのトルクバンド(2500~3000回転くらい)に入っているときに、4速、5速などの高いギヤでアクセルを大きく踏み込むと、エンジンの回転はスムースに上がっていくのに、速度はあまり上がらず、回転数と速度の上昇にギャップが出てくる。こうした症状が現れたら、クラッチが滑り出した証拠。
放っておくとどんどん症状は悪化して、発進できなくなったり、ギヤが入らなくなったりするので、早めに整備工場に持っていきクラッチ交換するしかない。