日本ではダウンサイジングよりもハイブリッドに特化
CO2規制、言い換えれば燃費規制であるのだが、欧州、日本、アメリカ、さらに中国やインドなど、各国や各地域によって数年先の達成目標に違いがある。
自動車メーカー各社のエンジン開発責任者がいう。「欧州CO2規制は2021年目標(95g/km)と厳しいが、今後はさらに急激な厳格化が求められており、その対応はダウンサイジングターボを含めて複数の選択肢を同時進行で進めなければならない」。
現時点(2020年6月)では、欧州CO2規制への対応策として主流なのが、ガソリン車のダウンサイジングターボと、48Vマイルドハイブリッド。また、開発コストがかかるが普及が進んできたのが、PHEV(プラグインハイブリッド車)である。
欧州以外では、ダウンサイジングターボの普及はどうなっているのか? 世界最大の自動車市場、中国では電動化に対する規制が優先するため、ダウンサイジングターボはメジャーではない。
世界第二位の自動車市場、アメリカではトランプ政権になり燃費規制に関する議論が大揺れとなっていて、電動化を含めて次世代車の将来展望が見えない。また、フリーウエイ(高速道路)での移動が多い国柄のため、排気量ダウンはエンジンの高回転化となり燃費改善には向かないことも、ダウンサイジングターボの普及が進まない理由だ。
そして日本だが、なんといっても、世界屈指のハイブリッド大国。燃費改善とCO2排出量削減の観点では当面、ハイブリッド車が優先されるため、ダウンサイジングターボの普及は積極的に進まないだろう。