新規受注が少なかったことや生産調整が原因でマイナスとなった
自販連(日本自動車販売協会連合会)から登録車、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から、軽自動車の2020年5月の新車販売台数が発表された。それによると、登録乗用車は21万2636台(前年同期比58.2%)、軽四輪乗用車は5万623台(前年同期比44.1%)となり、当初の予想通り散々な結果となっている。
もちろん、このような結果となった最大の要因は新型コロナウイルスの感染拡大を挙げることができる。4月は3月までの受注分のなかで、3月までに登録や届け出ができなかった“受注残車両”分が販売実績に上乗せされているので、前年比ではマイナスとなっているものの、落ち込み幅は5月よりは少なく済んだ。しかし5月はさすがに4月よりは受注残車両が少ないなか、新規受注も当然減っているので、かなり目立ったマイナス幅となっている。
ただ、通称名別(車名別)で5月の販売ランキングを見ると、登録車のみのランキングでトップのトヨタ・ヤリスは4月より販売台数が多いし、2位のトヨタ・ライズは2020年4月比で約88%、3位のホンダ・フィットは前年比110.8%となっている。ヤリスとフィットは2月にデビューしたばかりのため、そしてライズは高い人気が続いているために、いずれも大量のバックオーダーを抱え、納期遅延が発生しており、受注残車両を登録して販売台数として反映させているので、新型コロナウイルスの影響が深刻なレベルとならず、ランキング上位に入っているといえよう。
登録車では、これ以外の車種では軒並み前年比で50%台か、それ以下となっており、新規受注が少なかったのは間違いないようだ。
軽自動車では、前年比52.4%ながら、ホンダN-BOXが約1.1万台を販売してトップとなっている。N-BOXのライバルとなるスズキ・スペーシアは前年比32.8%、ダイハツ・タントにいたっては22.7%となっている。日産デイズ系から独立して3月に発売となった日産ルークスも3911台と苦戦している。N-BOXも含めて、前年比でかなり悪い結果となったのは、いずれも新型コロナウイルスの影響により、生産調整が入ってしまい、5月上旬時点で発注しても、いずれも3カ月ほどの納期遅延となっていたことが大きく影響している。
このような結果となったのは、もちろん新規購入見込み客の激減があるのだが……。「とくに登録車では、5月に契約し、5月中に登録(ナンバー取得)が間に合い納車となるケースは稀です。5月の販売結果は4月の不調も大きく影響しているといえるでしょう」とは事情通。