エンジン回転数が低く抑えられるメリットは大きい
今では軽自動車でも高速道路で100km/h走行をなんなくこなす。それ以上の速度だって、出そうと思えば出せる。コンパクトカーならさらに余裕だ。しかし「100km/hで走れる」のと「100km/hでラクに走り続けられる」というのは別の話だ。当然、ハイパワーでトルクに余裕があるクルマのほうが、断然ラクに違いない。
何故か。まずは、ハイパワーでトルクのあるクルマは、一定の速度で走る際のエンジン回転数が低く抑えられるからだ。たとえば、小排気量でそれほどパワー、トルクのないクルマが100km/hをキープして走るのに、エンジン回転数が2600回転まで回っているとする。一方、パワーとトルクに余裕があるクルマだと1500~2000回転で済んでしまったりする。その分、アクセルの踏み込み量が少なくて済むわけだ。そーっと踏んでいればいい。だから肉体的にもラク。しかも、エンジン回転数が低いということは、エンジンに起因するノイズの高まりも抑えられ、車内騒音による聴覚的疲労度も低減することになる。
アクセルペダルの踏み込み量に関して、パワーとトルクに余裕がないクルマでも、ACC(アダプティブクルーズコントロール)を使えば、アクセル操作による肉体的な疲労度が少なくて済むのでは? と思うかもしれない。たしかにペダルを踏む力は必要なくなるものの、エンジンが目いっぱいがんばっているのと、余裕たっぷりに速度を維持しているのとでは、先に触れた車内騒音で差が付くというわけだ。