日本車ってやっぱりスゴかった! 世界の誰もマネできない「超おもてなし」装備7選 (1/2ページ)

日本人のユーザーの要望に応えた超便利装備が多数!

 20年ほど前に、とあるドイツの自動車メーカーの工場を取材した時に、工場長は「とにかく日本人のユーザーはクレームが細かい。我々がまったく気にもしなかったことに文句をつけてくる」と、苦笑いしながら話してくれました。でも、そうした日本人の細かなクレームを受けて改善に努めたことで、そのメーカーの品質はどんどん向上したのだとか。そのメーカーだけでなく、日本人のクレームや要望によって装備が充実した輸入車はけっこう多いと聞きます。一説によれば、車内で飲み物を飲む習慣がなかったイタリアのクルマにドリンクホルダーがついたのは、日本人の要望のせいだとか、そうじゃないとか?

 でも、どんなに輸入車の装備が充実してきても、やっぱり日本人が作る日本車の装備はその上をいってるなぁ、と感じることは今でもあります。今回はそんな、「この瞬間が、日本車だね」な、日本人だからこそ考える、気がつく、技アリな装備&機構を7つご紹介したいと思います。

1)BOXティッシュスペース

 まず1つ目はなんと言っても、日本の軽自動車やミニバンにはないクルマがないといってもいいくらい、定番となっているのがBOXティッシュを収納するスペース。以前、開発者に聞いたところ、もうこれがなかったり、使いにくかったりすると、かなりユーザーにガッカリされてしまうのだというくらい、日本人の必需品となっているようです。

 実際、スズキではスペーシアの開発の際に、日本国内で買える全種類のBOXティッシュを用意して、どれを入れてもすっぽり収まり、ティッシュがスムースに引き出せるようにテストをしたんだとか。輸入車でもボルボXC40などBOXティッシュ収納があるクルマもないことはないですが、車内にBOXティッシュを出しっぱなしにしたくない、という日本人の奥ゆかしい性格が感じられる装備です。

2)引き出し式のロールサンシェード

 2つ目は、これはまず輸入車では見たことがない装備として、引き出し式のロールサンシェード。子育てファミリーのユーザーが多い、軽スーパーハイトワゴンやミニバンに多く装備されているもので、2列目シートの窓ガラスの下にツマミが出ており、それを指で引き出すと日差しを遮るサンシェードになるのは便利な装備です。

 市販のサンシェードは吸盤などで窓ガラスに貼り付けますが、どうしても時間がたつと落ちてきたり、窓ガラスの大きさと合っていなくて、隙間ができてしまったり、ちょっとストレスだったりしますよね。使わない時は収納できるのも、とても便利で日本人らしいなと思います。

3)紙パックが入るカップホルダー

 続いて3つ目は、これも輸入車では見たことがない、紙パック飲料が入るカップホルダーです。トヨタ・トール/ルーミー、ダイハツ・タンク、スズキ・ラパンなど、ファミリーや女性ユーザーが多いコンパクトカーや軽自動車に多く装備されています。コンビニやスーパーで売っている紙パック飲料はリーズナブルなので、ストローを挿して車内でも飲みたいという人が多いそうですね。

 一般的なカップホルダーにはサイズが合わないので、以前はカー用品店などで専用の紙パックホルダーを買うしかなかったのですが、ここ数年で純正でも紙パック飲料が置けることを謳うクルマが増えてきました。しかも、缶ジュースやペットボトル飲料、スマホまで置けるように工夫されていたり、かなり芸が細かいことに感心してしまいます。最近はマイボトルが増えてきたとはいえ、やっぱり日本人はドライブのお供に好きな飲み物、が定番ですから、これはありがたいですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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