ナメてかかると命を落とす! 梅雨時期に起こりうる「冠水道路」で立ち往生したときの正解とは (2/2ページ)

迷わずクルマを捨てて窓から脱出すべき!

 冒頭で書いたように迂回するのがベストだが、もし冠水路に入ってしまったら途中で一時停止することなく、一気に走り抜けるようにしたい。止まってしまうと水の抵抗で進めなくなることもある。ただし、速度を出し過ぎると水がエンジンルーム内に侵入しやすくなったり、水の抵抗によって車体が傷んだりしてしまう。5km/h程度の徐行を維持して止まらずに走り抜けるのが基本だ。

 それでも読みが外れて、クルマが進めなくなってしまうこともあるだろう。そのまま車内で待っていると水位があがって、水没してしまう危険性があり、最悪、溺死ということなる。池などに落ちてしまったときも同様だが、車両が水没しそうになったら、脱出を考えなくてはならない。

 水没していると水の圧力でドアが開かなくなる。そこで、ドアの窓をあけて、そこからの脱出を試みたい。いまどきのクルマであれば少々の水没でもパワーウインドウは動くはずだ。しかし、クルマが水に浸かってしまうと電装系が壊れてしまうことも多く。パワーウインドウが反応しないこともある。

 そうした危機状況から脱出するために窓ガラスを割るための脱出用ハンマーというものが市販されている。クルマの中に装備しているユーザーであれば、躊躇なく窓を割って逃げることを選ぶべきだ。

 パワーウインドウが動かなくなってしまい、さらにガラスを割る道具もないとなれば、最後はドアを開けての脱出だ。水の圧力でドアが開かないと書いたが、それは室内に水が侵入していない状態で内外に圧力差がある場合の話で、完全に水没すると圧力差がなくなるので、ドアが開くこともある。最後まであきらめずに脱出を試みてほしいが、正直、完全に水没した状態で冷静に判断できるという人は少数派だろう。

 というわけで、冒頭の話にもどるが冠水路を目前にしたら、とにかくルートを変えてさけることを最優先に判断してほしい。なんといっても、命あっての物種だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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