日本の物価は上がっていないのにスポーツカーの価格は上がり過ぎ
クルマが高嶺の花と感じるようになって久しい。バブル崩壊以降、日本経済は「失われた30年」とも評されるほど伸びていない。
にもかかわらず、クルマの値段ばかりが上昇しているのはグローバル基準で価格が決定される傾向にあるからだ。GDP(国内総生産)でいうとアメリカ合衆国の2000年と2019年を比べると、約2.1倍へと拡大している。しかし、日本のGDPは同期間において1.07倍とほぼ横ばいで成長していないのだ。グローバルにはモノやサービスの価値は上がっている。
実際、日本の消費者物価指数(総合・全国)を見てみると、2000年度が99なのに対して、2019年度は102とほとんど変わっていない。しかし、アメリカの物価指数を、2000年と2019年で比べてみると、なんと1.5倍となっている。
つまり、同等の商品やサービスなどの経済的価値は50%高に上昇しているということだ。アメリカだけがすべてではないが、日本の自動車産業がアメリカから受けている影響は大きい。つまりアメリカの物価指数を参考にすれば、ここ20年でクルマの価格が1.5倍になっているのは当然と考えることができる。
さて、そうはいっても価格上昇幅が大きすぎると感じるカテゴリーもある。それがジャパニーズ・スポーツカーだ。スーパーGTで争う3台の各メーカーを代表するスポーツカー、日産GT-R、ホンダNSX、トヨタ・スープラについて、20年前のモデルと現行型の価格を比較してみよう。