通行帯の整備だけではどうにもならない! 自転車対クルマの事故が減らないワケ (1/2ページ)

自転車事故でもっとも多いのはクルマとの出会い頭の衝突

 昨2019年春の交通安全運動に向けて、警察庁交通局が事故実態を分析した情報によれば、自転車の交通事故による死亡・重症件数は全体的に減少してきたものの、16年以降は9000件前後で上下しだしている。

 事故形態として多いのは、相手がクルマの場合で8割近くにのぼる。その事故原因は、出会い頭の衝突が6割近い。次が右左折で25%だ。したがって、道路に自転車通行帯が設けられるようになってきているが、多くは、自転車かクルマかどちらの不注意にせよ、交差点で十分な徐行や一時停止が行われていない様子が想像できる。

  

 次に、自転車と歩行者の事故分析では、歩道で接触してというのが4割近くもっとも多いが、次いで交差点内が20%強だ。やはりここでも、交差点での事故を無視しえない状況にある。

 自転車は、道路交通法で軽車両と位置付けられているので、基本的には車道を走行することになっている。しかし、何らかの交通事情によっては歩道を走ることも許されている。ただし、いつでも歩道を走れるのは幼児や児童と、70歳以上の高齢者で、それ以外は車道を走るのが原則だ。それにもかかわらず歩道での自転車事故が多いことは、そもそも自転車が軽車両であるとの意識が低いことを物語っていそうだ。


御堀直嗣 MIHORI NAOTSUGU

フリーランスライター

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乗馬、読書
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池波正太郎、山本周五郎、柳家小三治

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