「燃費激ワル」でも存在を「悪」とは呼ばないで! ガソリン使いまくりの「衝撃燃費」現行車5選 (1/2ページ)

「真の贅沢」を思う存分味わえる

 CAFE(企業別平均燃費基準)など燃費規制への対応が進むと、世界中のクルマの燃費はどんどん良くなる。ガソリンスタンドの売り上げが心配になる以外、クルマの燃費が向上するのは良いことづくめだ。しかし、クルマ好き視点からすると「燃費度外視の大排気量&大パワーエンジンがもたらす大迫力」が味わえなくなるのは寂しいところ。

 単純な「加速力」や「極太トルク感」については、電気駆動のスポーツカーがハイパワーエンジン車を凌駕する実力を発揮するものの、”感覚的な意味”でのパワーやトルクの「質」については、大量のガソリンを爆発させて得られる迫力にまだ及ばない部分がある。サウンドや、エンジン回転の高まりに伴うパワーの湧き出る感覚など、出力が発揮される過程の盛り上がりやプロセスの気持ち良さ、官能性や味わい深さにおいては「まだまだ内燃機関が必要だ!」と思う人は少なくないはずだ。

 そこで今回は、世にも希少な「燃費度外視(と思わせる)エンジン」を搭載するモデル5台をピックアップしてみた。今や、こういったクルマは富裕層向けの超高級車に限られているので、庶民にとってはあまり関係のない話とも言えるが、パワーやトルクの太さを最重視した設計のエンジンがもたらす独自の世界は、ほかに得難い魅力があることを思い出しておきたい。

1)レクサスLX

 国産SUVの最高峰。ラダーフレームベースの本格派ゆえ、車重も国産車最高峰の約2.7トン。姉妹車のランドクルーザーよりもさらに排気量の大きな5.7リッターのNAのV8エンジンを搭載し、JC08モード燃費は6.5km/Lと、燃費の悪さでも国産最高峰を誇る。同じレクサスでも格下モデルのRXはハイブリッドシステム搭載車を主力としながら、もっと高額になっても許されるはずのフラッグシップSUVはハイブリッドを積まず。あくまで大排気量エンジンとするところに「真の贅沢」を感じさせる。

 ランドクルーザーと同様、中東や大陸の砂漠などの過酷な状況で使われることが多く、機械的トラブル発生リスクを少しでも下げる狙いもあっての選択だろう。いまの時代、燃費の悪さは燃費よりも重視すべき性能や信頼性が求められるクルマにのみ許される特権として、むしろ誇らしい。

2)メルセデスAMG・G63

 新型に移行した今もなお「ゲレンデのAMG」の名のほうがとおるセレブ御用達SUV。6リッターのV12ツインターボも積んだ旧型からすると、現行型の4リッターV8ツインターボは圧倒的にコンパクトで、高効率なイマドキの高性能ユニットだ。それでもJC08モード燃費は6.6m/Lと極悪。車重2.5トンの四角いボディを、高額高性能車の加速性能慣れしたセレブに痛痒感を微塵も抱かせることなく加速させるために、燃費は犠牲になったまま。

 燃料タンクは100リットルながら、平均速度が遅くストップ&ゴーだらけの東京都心では、みるみるうちになくなってしまう。燃費の悪さを経済面で気にされることはないが、「給油が面倒なので」と、AMG本社に燃料タンクを2基積んだ特別仕様をオーダーするセレブもいる。極悪燃費車のカーライフには、いろんな意味で「真の贅沢」が感じられる。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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