日本政府は2050年を目途にICEをなくすとしている
国として電動車の普及を義務付けている中国、カリフォルニア州を筆頭として合衆国の一部州での義務化が進むアメリカ、さらに2030~2040年頃を目途に純粋なICEの販売を終了するとの方針を打ち出している欧州の主要各国。こうした国や地域でも、今後の政権運営や社会情勢によって環境対応政策が変わる可能性は十分にある。当然、原油の枯渇という大きな課題があるが、最近の電動車普及の議論のなかで、その点について詳細な検証が乏しいとも思える。
これに対して日本政府は、2050年を目途に純粋なICEに変わって、ハイブリッド車以上の電動車のみの製造・販売を目指すと表明しているのだが、それに至るまでの規制やさまざまな義務化要綱については、いまのところ明確には提示されていない。果たして、日本の新車で純粋なICEがなくなるのはいつか?
いわゆるマイルドハイブリッド車など、ICEがメインの電動車は徐々に増えることはあっても、ICEではないEVや燃料電池車FCVが市場の主流になるのは、「少なくとも2050年以降」または「2050年でも主流はハイブリッド車とPHEV」という見解を示す自動車メーカー関係者が多い印象だ。
彼らが指摘するように、本当に実質的なICEがなくなることは当面ない、のだろうか?