スバル360やポルシェ911にVWビートルも採用
仕組みはとても簡単で、ベースとなるのはマニュアルミッション。クラッチも板式のものを採用しているものの、ペダルはクラッチレスの2ペダルというのが特徴となる。操作は簡単で、シフトを操作する際にノブのところに付いているスイッチを同時に握ると電磁クラッチ、つまり電気が流れて電磁石が動いてクラッチを切ってくれる。手でシフトを操作してノブを離せばスイッチも同時に切れるのでクラッチはつながるという仕組みだ。
日本ではスバルが積極的に採用して、スバル360にも設定していたほど。その後のR2やレックスにも採用していたし、ほかのメーカーでは日産がチェリーに用いた。ダイハツは電磁式ではなく、バキューム式のオートクラッチを採用していた。
制御は単純ゆえ、切るかつながるか極端で、ギクシャク感はかなりあったが、あのポルシェ911やVWビートルにもスポルトマチックという名称で採用されていたほど。その後、トルコン式ATが普及してくると、オートクラッチは廃れてしまった。AT普及前夜の過渡期的な技術と言っていいかもしれないが、いかにして自動化するかという熱意が見て取れる技術でもある。