汎用性の高さから水素ロータリーなどさまざまな可能性を模索
さて、近年そんなロータリーエンジンの復活を望む声が高まっているという。じつはロータリーエンジンは燃料の自由度が高い。アルコール燃料や液体水素燃料でも簡単に回せる。ボクが卒業した武蔵工業大学(現東京都市大学)は水素エンジンの開発研究で有名で、ボクの在籍時にも故・古浜庄一学部長(後に学長)が、液体水素ロータリーエンジン車を試作し走行テストもしていたほどだ。
その基礎技術を受けて、マツダも一時液体水素ロータリーエンジン搭載車を開発したが、液体燃料の小型化がクリアできず今は凍結されているという。
一方、世のなかはハイブリッドやEVが主流となりつつある。モーターのようにエンジン中心に出力軸となるエキセントリックシャフトを持つロータリーエンジンは、モーターをドッキングするのに都合がいい。また直噴のロータリーを提案することもできる。
小さい排気量で、大きなパワーとスムースな回転が引き出せる。現代の技術をミックスさせると、新しい概念のパワーユニットに進化する可能性がある。
マツダだけでなく、ほとんどすべての自動車メーカーが一度は取り組んだロータリーエンジン。次世代ロータリーが登場するとすればどんな新技術で出てくるのか。大いに興味をそそられるのだ。