何がそんなに魅力的なのか? ロータリーエンジン復活が期待される理由と可能性 (1/3ページ)

モーターのように高回転まで吹き上がるフィーリングに驚いた

 じつをいうと、ボクが運転免許を取得して最初に購入したクルマが「マツダ・ファミリア・ロータリークーペ」だ。1968年、当時ファミリーカーの代表格だったファミリアに先進のハイパワーロータリーエンジンを搭載し登場した。1970年に従兄が新車購入したものを、5年後に安価に引き取らせてもらったのだ。

 このクルマの何がカッコいいかといえば、そのインパネデザインにあった。飛行機のコクピットをヒントにデザインされたというインパネは、T字型ダッシュボードに大小5連のメータを配置し、ダッシュボード下には4速マミュアルトランスミッション(MT)の短いシフトレバーが配置されていた。

 大型の速度計は200km/hスケールで高性能を表していたものだ。その隣に配置されるエンジン回転計はフルスケール8000回転で、6500回転からイエローゾーン表示となっていた。3本スポークのウッドステアリングで座っているだけでもワクワクさせられるコクピットだった。

 搭載されていたのは10A型と呼ばれるロータリーユニットの名機で、491ccの排気量を持つローターハウジングを2連結した2ローターエンジンとなっていた。

 その高性能ぶりは今でも鮮明に覚えている。まさにモーターのように静かで無振動に回転しつつも、アクセルを踏み込むとストレスなく一気に6000回転オーバーまで吹き上がり、その先も勢いで回っていってしまいそうになる。最高出力は100馬力だったが、815kgしかない軽量な車体で最高速度はメーカー公表値で180km/hとされていた。

 回転フィールはまさにモーターが回っているようで、2輪で経験していた4サイクルのレシプロエンジンより、遊びで楽しんでいたスロットカーのモーターそのもののような回転フィールに魅了されたものだ。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
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海外巡り
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クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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