「軽油=軽自動車用」の勘違いもホントにある! 英語圏同様の「ディーゼル」ではなく「軽油」と名付けられたワケ (1/2ページ)

比重の軽さから名付けられた名称だった

 ガソリンスタンドで給油できるクルマの燃料といえば、ハイオク、レギュラー、軽油の3種類。このうち軽油はディーゼル車の燃料で、英語圏では、ずばりDiesel Fuelと表記されている。日本でも「ディーゼル」と呼んでいれば、「軽油=軽自動車用」という勘違い・認識不足による誤給油のトラブルも防げたはずなのに、そもそもなぜ軽油という呼び名になったのか?

 簡単にいうと、まず石油製品は植物油に変わる照明用燃料=灯油(Lamp Oil)から普及し、次に石炭の代わりに重油(Heavy Oil)が使われるようになり、重油より比重の軽いものが、Light Oil=軽油(Gas Oil)と呼ばれるようになっただけ。

 詳しくいうと、これらの石油製品の精製は沸点によって分けられている。原料はいずれも原油で、製油所では原油をまず加熱炉に入れ約350℃に加熱し、蒸気(石油蒸気)にしたものを蒸留塔に送る。

 その蒸留塔のなかで、沸点の低いもの(30℃~180℃)がガソリン、170℃~250℃が灯油、240℃~350℃が軽油として留出され、蒸留塔に残ったものが重油となる。つまり、比重が軽い順に分けると、1ガソリン、2灯油、3軽油、4重油となるわけで、全体としてみると、じつは軽油は軽くはない……。

 これらの理由から、公益社団法人石油学会の資料を見ると、『軽油は漢字として不適当であり,中油あたりが適当だったのかもしれない』と書かれていた!


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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