スポーツカーは「小さく」バスやトラックは「大きい」! なぜハンドルのサイズがあんなに違う? (2/2ページ)

大型車のハンドルは急ハンドルになりにくい特性

 一方、トラックやバスは現在でもかなり大きい。それこそ1990年代前半までは直径が500mmぐらいが当たり前だったし、いまでも450~460mmぐらいがスタンダード。トラックやバスでもパワーステアリングが標準なので、もっと小さくなってもいいような気がするが、トラックやバスのハンドルの径が大きいのは昔の名残というわけではない。

 トラックやバスの車体は、長く、重心も高く、タイヤも大きい。大事な人や荷物も多く積むので、クイックなハンドルではバランスにも悪影響を与えやすい。重心が高いクルマは、急ハンドルになりにくい特性の方が安全なわけだ。

 また、乗用車よりもホイールベースがずっと長い車体で交差点を同じように曲がらなければいけないので、ハンドルの切れ角もかなり大きい(FFや4WDの乗用車が30度ちょっと。トラックやバスは45度以上)。切れ角が大きいのにハンドル径が小さいと、やはり一気に大きく切れることにつながるので、大径ハンドルの方がある程度ゆったり切れるので都合がいい。さらに、大径ハンドルにすることで適度な遊びができて、長距離運転で疲れないというメリットも!

 もちろん人によって好みもあるだろうが、クルマの大きさ、タイヤのサイズ、切れ角、車体の重心などで最適なハンドル径はある程度決まってくる。そうしたことを実走テストで確認しつつ、パワステのセッティングも含め、どの車種でも同じような力でハンドルが切れるようにし、万人に使いやすいハンドル径として行き着いたのがメーカーの純正サイズというわけだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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