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CVTの夜明けを担った意欲作! なのに1代限りで消滅した残念なクルマ4選 (2/2ページ)

CVTの夜明けを担った意欲作! なのに1代限りで消滅した残念なクルマ4選

これまでのCVTが持っていた退屈なイメージを払拭したものの……

 いまや日本車における2ペダルトランスミッションの主役は「CVT(無段変速機)」となっている。シームレスな加速感や街乗りでのスムースさは市街地走行の気持ちよさにつながり、さらにエンジンのスイートスポットを常に使うことのできるポテンシャルなどから省燃費性能においてもアドバンテージがあるとされている変速機構だ。

 そんなCVTの歴史が市販車に刻まれるようになったのは1980年代後半。当初は非常に実験的、意欲的なトランスミッションということもあって、オーソドックスなモデルは採用しづらいイメージもあった。CVTは最新の尖ったメカニズムだったのだ。

 それゆえに1990年代から2000年代にかけて“最新のCVT”を採用したモデルのなかには、それ一代限りで消滅してしまった名前も少なくない。ここでは、そんなCVTの歴史に残る4台をピックアップ、CVT黎明期を振り返ってみよう。

1)スバル・ヴィヴィオ

 最初に紹介するのはSUBARUヴィヴィオ。VIVIOという車名はギリシャ数字で「660」と読めることに由来する、生粋の軽自動車だ。そのトランスミッションは先代モデルである「レックス」が軽自動車に初採用したCVTを引き継いだが、ヴィヴィオの後期モデルでは6速マニュアルモード付「スポーツシフト(SS)」を搭載した。1997年に市販されたSSは、シーケンシャル操作によりシフトアップ/ダウンが自在に行えるというもので、それまでCVTが持っていた退屈なイメージを払拭。

 4速ATさえ珍しかった軽自動車において、スーパーチャージド4気筒エンジンに6速マニュアルモードCVTを組み合わせるという発想は、現在の2ペダルスポーツにつながるものだったといえる。四輪独立懸架のサスペンションが生む切れのいい走りは魅力だったが、軽自動車市場がハイトワゴン中心にシフトしていくのに合わせて、フルモデルチェンジすることなく一代限りで終わってしまった。

2)ホンダ・ロゴ

 さて、ホンダにおけるCVTの初期を支えたモデルとして忘れられないのが、コンパクトカーの「ロゴ」だ。「シティ」と「フィット」という人気コンパクトカーをつなぐ存在でありながら、いまや忘れられた存在といえるロゴも初期のCVTを「シビック」に続いて採用したモデルだった。

 ステアリングのスイッチひとつで変速マップを変更してスポーティなドライビングが楽しめるというアイディアも盛り込まれるなど、市街地でのキビキビとした走りを狙ったモデルだったが、その地味なルックスが災いしたのか、こちらも一代限りで終了。とはいえ、ロゴでの経験がフィットを生んだと思えば、モデル系統樹的な意味での価値は再評価すべきだろう。

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