悪路がイケるのに街も高速も得意! ヨコハママジックを感じるSUV用タイヤ実力に脱帽 (1/2ページ)

市街地ではしなやかな乗り心地に驚いた

 いつもは買い物や送り迎えで市街地を快適に走りたいけれど、たまには海へ山へと駆け出して、思いっきり羽を伸ばしたい。そんな気分にぴったりなクロスオーバーSUVは、今やトレンドを通り越してあらゆるライフスタイルにハマる定番になりつつあります。室内も広いし、荷物だってたくさん積めるし、日常の便利さだって文句なし。だから多くのクロスオーバーSUVは、市街地や高速道路の走りを重視したタイヤを履いています。

 でもせっかくSUVに乗るなら、ちょっと荒れた路面や砂利道、雪道での頼もしさを手にいれて、アクティブなドライブも楽しみたいところです。河原におりて石がゴロゴロする川沿いを走ってみたり、未舗装の山道の先にある隠れ家カフェを見つけてみたり。そんなワクワクするようなドライブは、ちょっとタイヤ選びにこだわってみるところから始まるのです。

 タイヤ選びのポイントは、「M+S」の刻印があること。これは「MUD」(泥道やぬかるみ)、「SNOW」(雪道)の頭文字で、どちらも走行できますよ、という表示です。でもスタッドレスタイヤのように冬専用タイヤではなく、オンロードの快適性や耐久性などもしっかり両立しているタイヤがベスト。今回は、そんなM+S規格のタイヤで、日常からレジャーまで活躍するオールラウンドタイヤ、「GEOLANDAR CV G058」を履いたトヨタRAV4に乗って、緑まぶしい大自然のなかへ、ドライブに出かけてみました。

 自宅前に停めたRAV4は、住宅街でも浮かない絶妙なワイルド感。タイヤがゴツいような印象もまったくなく、とてもサマになっているなぁと嬉しくなりました。自宅周辺は道が狭いので、30km/hくらいでゆっくりと走ってみると、思いのほか軽やかに転がります。交差点でも引っかかるような感覚はなく、スムースで好印象です。

 そして幹線道路に出て速度を60km/hくらいに上げていくと、しっかりと路面に接地している感覚が高まるとともに、マンホールなどのギャップを超えたときのしなやかな挙動に感心。オールラウンドタイヤというと、もっとゴツゴツした乗り心地やラフなステアフィールをイメージしていたのに、すごく丁寧に走ってくれているなぁと、意外なほど紳士な所作に驚きました。

 この「GEOLANDAR CV G058」は、先進のシリカテクノロジーによる専用の新コンパウンドが見どころのひとつ。高性能だけど混ざりにくい特色をもつシリカを、ヨコハマタイヤ独自の技術で高配合することで、ゴムのしなやかさをキープしたり、高い制動力を実現。さらに、さまざまな路面で最適な性能を発揮できるよう、複数種のポリマーを配合しています。

 そのため、従来品と比べて50km/hでのロードノイズは34%低減し、突起乗り越しのタイヤ上下軸力は7%低減。雨の日の安心感につながるウエット制動やウエット操縦安定性もそれぞれ向上しながら、転がり抵抗はほぼ同等を維持しているのです。

 ただ、これが高速道路に入ったらどう変わるのか? そこはやや心配ではありました。完全なオフロードタイヤでは、高速道路のノイズや安定性が今ひとつのものもあるからです。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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