日本車史上最高傑作の第二世代スカイラインGT-R! 「R32」「R33」「R34」の違いといまの中古車相場 (2/2ページ)

中古価格は高値だが補修部品の再生産などの動きも!

 R34の生産中止は2002年なので、第二世代GT-Rの最終モデルでも、もう18年落ち……。それでも人気は全く衰えることがなく、むしろ中古車市場は今が最高値ともいえるぐらい!

 一番生産台数が多く(4万3661台)、低年式のR32でも、350~400万円ぐらいが相場。GT-Rの中では不人気といわれてきたR33もこのところ高値で、400~430万円ぐらいのものが中心になってきた(生産台数:1万6435台)。R34は別格で、900万円前後が当たり前の状況が続いている(生産台数:1万1344台)。

 これらのなかから、今が買いといえるGT-Rがあるのかというとなかなか難しい。いくら高性能、ハイクオリティなGT-Rといえども25年以上前のR32はもちろん、18年前のR34の最終型でもそれなりにヤレテいるし疲弊している……。とくに20万kmを越えている個体は、大事に乗られていたクルマでも、ちょこちょこ壊れると思ったほうがいい。

 一方で、それぞれのGT-Rには特有のメリットもある。

 まずR32。一番古いがタマ数も多く、古いがゆえにエンジンやミッションなどのオーバーホールの経験があったり、タービンやエアコンの交換・修理が済んでいるクルマも多い。

 そして、NISMOのヘリテージ活動で、補修部品がどんどん再生供給がはじまっているのも心強い。グループA伝説などに思い入れのある人は、前オーナーが愛着を持って乗っていたR32を探して購入しよう。

 R33のメリットは、比較的コンディションのいいタマがあること。距離もそこそこだったり、チューニングもライトな傾向で、ノーマル戻しのクルマも少ない。なによりボディもくたびれていないクルマがあるのはひとつのメリット。初期型(1995年モデル)は、今年いよいよアメリカの25年規制をクリアし、輸出可能になるので、これからR33がさらに値上がりする可能性はあると思う。そういう意味で、いまのうちにR33を探すことは考えておきたい。

 R34に関しては、驚くほどの高値だが、この状況は当分続くはず。値下がりを待つぐらいなら、このタイミングで走行距離が短めのきれいなR34を買って、自分で乗りながら手を入れていったほうが、長く楽しめるというもの。

 というわけで、どのGT-Rも一長一短。正直にいえば価格は高すぎるし、これから維持するのも楽ではない。しかし、逆にいえば多くの人がそれでも乗りたいと思っているからこそ、こうした相場になっているわけで、本当にGT-Rが好きなら、パーツがあってリコンディションができて、なおかつ普段使いができるいまの時期に、一番好きなGT-Rを買ってしまうというのが、わりといい選択だといえるだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
趣味
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