今後は「F」の定義を変える必要がある IS F、GS F、RC Fの各モデルが歴史を紡いできたように、仮に「2UR-GSE」が“F”モデルの絶対条件だとすると、Fを名乗るにはエンジンが縦置きの必要がある。現在、レクサスのラインナップではSUVがメインとなっていることもあり、そのほとんどはエンジンが横置きだ。エンジン縦置きなのは、LS、LC、IS、LXの4モデルしかない。
そのうち、LCはスタンダードで5リッターV8エンジンの「2UR-GSE」を、LXは5.7リッターV8エンジンを積んでいるため、Fの出番はなさそうだ。可能性があるとすればLSだが、こちらもガソリンエンジン仕様が積んでいる3.5リッターV6ツインターボのスペックは310kW、600N・m。トルクに関しては2UR-GSEでは勝てないわけで、それではFという称号にふさわしくない。モデル末期のISにFが追加されるとも考えづらい。
なぜレクサスはFモデルを拡大しないのか 画像はこちら
このままではRC Fが唯一のFモデルであり、最後のFになり兼ねない状況だ。そのためレクサスに“F”の称号を守るには、その定義を変える必要があるだろう。
思えば、メルセデスAMGにしても、かつては専用のマルチシリンダーエンジンを載せていることが名乗る条件だった時代もあるが、いまや4気筒のAMGも存在しているほど。ダウンサイジング時代には、スポーティでプレミアムなブランドも柔軟に変身している。
レクサスのFモデルにおいても、いまのV8エンジンを積んで13年。そろそろ根本的に新しいFの提案があってしかるべきタイミングといえるだろう。
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まずはV8エンジンであることにこだわらず、新世代のFにふさわしいハイスペックなエンジンを生み出すことが求められる。
そもそもLSのエンジンをベースにしたというルーツにしたという点からすると、現行LSのV6ツインターボをチューンしたエンジンを生み出すのは、どうだろうか。
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またトヨタのプレミアムブランドのレクサスという立ち位置からすれば電動も考慮したハイスペックを提案するというのもブランドとの相性はよさそうだ。
いずれにしても、縦置き・横置きの両プラットフォームに対応可能となるFにふさわしいパワートレインの登場が期待される。Fモデルが持続するためにはV8エンジンへのこだわりをなくし、「Fの定義」を書き換える必要がある。