クルマを購入する人の約80%が乗り替え
2019年10月以降、クルマの売れ行きは一貫して下がっている。2019年10月1日には、消費税が従来の8%から10%に引き上げられ、同月には台風19号も甚大な被害をもたらした。この影響で2019年10月の国内販売台数は前年に比べて24.9%のマイナスになり、11月も12.7%、12月は11.0%落ち込んだ。
2020年は1月が11.7%、2月は10.9%、3月は9.3%のマイナスで、次第に減り方が穏やかになったが、4月は新型コロナウイルス感染問題の影響で、再び28.6%の減少となった。
それでも対前年比を見ると、クルマの売れ行きは、さほど極端には減っていない。たとえば2020年4月の百貨店の売り上げは、前年に比べて50〜60%の大幅な減少となった。これに比べてクルマの売れ行きは、マイナスではあっても4月で30%以内に収まった。
減り方が少なかった背景には複数の理由があり、まず今のクルマ販売の約80%が乗り替えに基づくことだ。購入を先伸ばしにすると、愛車が車検期間を満了するなど、クルマの使用に支障が生じる。乗り替えないわけにはいかない。
2つ目の理由は納期だ。在庫車なら2週間程度で納車できるが、今は1車種当たりの売れ行きが下がり、コストを節約する目的もあって在庫車が減った。そうなると納期は一般的に1〜2か月を要する。つまり2020年の2〜3月に契約された車両が、4月に登録(軽自動車は届け出)されていた。