コロナ問題が本格化する前に売れたロッキーが数字を伸ばした
3つ目の理由として、クルマの販売店が、時間を短縮しながら営業を続けていたことも挙げられる。クルマの販売店は、長期間にわたって休業するのが難しい。車検、点検、修理も行うため、休業するとユーザーに迷惑を掛けたり、危険な故障車両の運行を招く。安全確保の観点からも、長期間の休業は難しい。
そこで各店舗とも、入口で消毒を行い、極力3密(密閉・密集・密接)を避けて営業を続けた。これらの相乗効果で、4月の売れ行きも極端には下がらなかった。
また4月の売れ行きをメーカー別に見ると、総台数では全社が減少したが、小型/普通車に限るとダイハツだけは対前年比が26%増えた。ダイハツも軽自動車は29.8%減り、総台数では26.8%減少したが、小型/普通車は唯一増加している。
この理由も納期に基づく。ダイハツは2019年11月にロッキーを発売しており、これが人気車になって納期が約3か月に伸びた。従って4月に登録されたロッキーは、正月に開催された初売りフェアの頃に契約された車両だ。そのために台数が増えた。
ちなみにダイハツの4月の登録台数(軽自動車の届け出台数を除く)は3354台で、ロッキーは2131台だから64%を占めた。もともとダイハツは軽自動車が中心で、小型/普通車の登録台数は少ないから、ロッキーが加わっただけで対前年比も大きくプラスに変わるのだ。
それにしても今後の国内販売はどうなるのか。前述の通りクルマの受注と登録には、納期に基づく1〜2か月の時間差がある。4月の外出自粛による受注の落ち込みは、数か月後に、対前年比の大幅なマイナスを招く。魅力的な新型車の投入などで、国内販売を盛り上げたい。