じつは塗料は基本同じ! 高級車のボディカラーが色褪せない理由とは (2/2ページ)

高級車のボディは塗膜が厚くなる!

 工程は、普通のクルマだと3工程。

1.ホワイトボディをプライマリー塗料が貯まったプール(塗装漕)にクルマを浸し電着

塗装(プライマリー塗装 ドブ漬け)→高温乾燥室で焼き付け

2.中塗り→焼き付け

3.上塗り→焼き付け

 このように3回塗って、3回焼き付けることを、3コート・3ベークという。

 メタリックカラーの場合は、上塗りのあと、クリアを塗ってから焼き付けるので、4コート・3ベーク。

 これが高級車になると、上塗りを二度に分けて重ね塗りをするので、4コート・4ベークになるので、塗膜が厚く、クオリティがアップする。

 超高級車になると、上塗りがさらに1回プラスされ、5コート・5ベークに!

 しかも、上塗りの途中で研磨加工を入れるという念の入れよう。徹底的に平滑度にこだわることで、高級車ならではの塗装の輝きと艶を出している。

 だから高級車と大衆車では、新車のときから輝きと深みが違うし、長期間使用したときの色の褪せ方にも差がつくというわけ。

 さらに、大衆車は屋外の駐車場で保管されるケースも多いが、高級車はシャッター&屋根付きのガレージに……。洗車の頻度も大きく違うはず。

 生まれも育ちも違う以上、色・艶の持ちが違うのはしょうがない。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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