東日本大震災時の教訓! コロナ禍の車検有効期間延長で「車検&自賠責切れ車」が街に溢れる危険性 (2/2ページ)

あくまで3密を避けるための措置であり早めに受けておきたい

 今回の車検有効期間伸長は、あくまで感染拡大防止のために、ひとが集中しないよう配慮しているもの。ディーラーや町の整備工場では、いまもなお車検(一般的には法定点検も込みで行う、車検点検整備となるが)を受け付けているし、各運輸支局でも検査を行っている。

「あくまで一般論ですが。普段あまり乗らないひとほど、有効期間に余裕を持たせて車検のため、愛車を入庫してもらえます。逆に日常的にクルマをよく使うひとのほうが、ギリギリのタイミングで入庫してくるケースが目立ちます。有効期間の伸長となれば『まだいいや』と、入庫を延ばしのばしにして、結果的に車検切れのまま乗り続けてしまうひとを誘発してしまうことになります。当然無保険状態で、しかも頻繁にクルマを使われる人がこのようなことになる傾向が強いので、新型コロナウイルス感染が収束に向かっても、クルマの運転環境はかなりリスキーな状況となっている可能性が高いです」とも語ってくれた。

 任意保険の世界では、すでに一時より加入率が低くなる傾向が顕著だ。仮に相手方の過失が多いケースで事故に遭っても、十分な補償を受けられないケースも目立ってきており、そのような場合に備えた特約も設定されている。

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大収束後には、任意保険どころか車検切れ(当然自賠責保険切れ)のまま街なかを走っているクルマが目立ちそうなので、防衛運転(事故に巻き込まれないために細心の注意を払う運転)を心掛けたほうが良さそうだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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