アメリカでは日本よりもあおり運転が多い
最近、日本でのドライバーのイライラといえば、あおり運転が挙げられる。後ろからあおられて、イライラ。または、遅いクルマに引っかかって、後ろでイライラ。
こうした状況でも、渋滞でのイライラと同じく、欧米など先進国の状況は日本に似ている。それどころか、アメリカではあおり運転が日本より数多く見られる印象がある。一般的には、テール・ゲーティングと呼ばれる。もちろん、道路交通法違反である。
一方、新興国だと、例えばインドではあおり運転というより、無謀運転に近い状況だ。高速道路では、車線に関係なくガンガン抜いていくので、結果的にあおり運転は少なく、ドライバーはイライラしない(?)。
もうひとつ、日本ではとてもイライラする人が多い、車線合流での無理な割り込み。アメリカでもイライラする人が多く、過去にはグローブボックスに入っている拳銃を出して、割り込んだクルマに向かって発砲した事案もある。
クルマの運転に限らず、銃社会のアメリカではイライラが重大事件に発展することが珍しくない。最近では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で企業を解雇された人が、商業施設で発砲事件が起こしている。
一方、東南アジアや中国では、割り込みされてイライラするというより、割り込みに対する”勝負意識”を感じる。「ほれほれ、どこまでやれる、さあやってみろ」、そんな雰囲気で、割り込まれることを半ば楽しんでいるようにも思える。もちろん、代償としての擦り傷は織り込み済みである。
緊急事態宣言となった日本では、平日でも交通量が減って渋滞、割り込みがなくなりイライラも減った一方で、青信号で横断中の歩行者が信号無視のクルマに衝突して死亡する事件が多発している。
外出自粛のイライラが、クルマの安全運転の妨げにならないよう、心掛けたいものだ。