最近週末の定番「新車ディーラーの折込チラシ」を見なくなったワケ (2/2ページ)

時代はインターネット広告にシフトしている

 それでは、いまどきの新車ディーラーの、イベントやお買い得車の情報発信は何がメインかといえば、ウエブサイトのバナー広告になるとのこと。確かに仕事柄自動車関係の情報サイトにアクセスすることが多いこともあるのか、筆者については新車ディーラーのバナー広告が目立っている。

 ある関東地域の新車ディーラーで話を聞くと、「バナー広告の効果はけっこうあります。ただ興味深いのは、店舗最寄りのお客さまというより、やや遠隔地からご来店されるお客さまが目立ちました」とのこと。

 いまどきの世間は“自動車”への感心が低くなっており、自宅最寄りにどんな新車ディーラーがあるかもあまり意識せずに生活しているひとも多い。つまり、どこに広告で目に留まったクルマを扱うディーラー店舗があるかわからないので、バナー広告を出しているディーラー店舗で、自分の生活圏内にあるならばそこへ出かけるということになるようだ。話を聞いたディーラーは県境地域に店舗を構えているので、隣接県から越境して新車を買いに来るお客も目立っているという話であった。

 ただ、そのような消費行動ならば、継続的に同じ店舗で新車を乗り継いでもらうということはあまり期待できない。やはり店舗最寄りに居住するお客のほうが、“定着率”がいいとディーラー側は考えている。そこでバナー広告を出す傍らで、昔ながらの住宅一軒一軒への、取り扱い車種ガイドも兼ねたリーフレットのポストインを積極的に行う店舗もあると聞く。「オートロックのマンションなども多いので、効率は昔ほどよくないですが地道にやっているようです」とは、業界事情通。

 いまどきは、デジタルツールと、昔ながらの足を使ったアナログ販促活動を併用している店舗が多いのが実状のようだ。

 (写真はすべてイメージです)


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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