高速域では分岐や合流などに注意が必要!
6)追い越し時以外は走行車線を走る
ベテランのドライバーでも理解していない人が多いが、高速道路の追越車線は「追い越すときにだけ使うもの」という原則を忘れないようにしたい。遅いクルマを追い越したら走行車線に戻るのが基本。「法定速度で走っているのだから、後続車に譲る必要はない」などと考え、追越車線を延々と走り続けるのは明確な違反であり、取り締まりの対象にもなる。追越車線に居座り続けると、先を急ぐ後続車のドライバーをイライラさせ、煽り運転を招く原因のひとつにもなりかねない。
日本では「車線変更をすることは良くない」という通念が一部に広まっており、車線変更を抑制したがる傾向があるが、それは誤った考えだ。車線変更に自信がなく、なるべく機会を減らしたい場合は、車線変更時に隣の車線に車両がいると警報で注意を促してくれる運転支援システムが装備されたクルマを選ぶのも有効な対策となる。
ただし、首都高速の環状線のように、短い区間で多数の分岐点が入り乱れているような設計の道路では、追い越し時以外にも右側車線を走らざるを得ない状況が強いられるなど、例外もあることを覚えておこう。
7)合流ポイントでは加速レーンでしっかりと加速をする
合流ポイントで上手く合流できず、モタモタした挙げ句に止まってしまうクルマを見かけることがあるが、合流ポイントで止まってしまうと合流がさらに難しくなってしまううえ、後続車から追突されるリスクが高まるなど、大変危険だ。合流ポイントは「加速ポイント」として認識し、できるだけ目一杯加速することを心がけよう。遠慮してゆっくりとアプローチすると合流は難易度も危険度も高まってしまう。本線の流れと同じ速度か、やや上まわる速度に達していればスムースな合流がしやすくなる。合流ポイントが短い場合は、より大胆に加速することが求められる。
また、高速の合流では加速性能が高いほどラクになる。高速道路に乗る機会の多い人は、初心者でもある程度パワーのあるクルマを選んだ方が圧倒的にラクで安全だ。NAの軽自動車の超ハイトワゴンなど、加速性能が低いクルマでは合流の難易度が上がるとも言える。
8)分岐ポイントでは迷う瞬間がもっとも危険
首都高や阪神高速などの都市高速道路では、分岐や合流ポイントが多く、コースレイアウトが複雑化している。走り慣れていないドライバーにとっては冷や汗ものの場面だが、進路に悩んでアッチコッチと悩む瞬間は運転そのものに対する集中力が緩慢になり、周りの状況が把握できていないと非常に危険な状態に陥ってしまう。初めて走る道路で悩んでしまうのはある程度仕方がないが、「常に周囲をよく見る」の基本に則り、周囲の状況を把握できていれば、多少迷うことがあっても危険度を低減させることができる。基本に立ち返ることがより重要となるのだ。
9)2時間運転したら休憩を
高速道路での巡航では、疲労感を自覚しない場合でも必ず定期的に休憩をとること。休憩をとるインターバル時間には個人差があるが、長時間運転が苦にならないタイプのドライバーでも2時間程度で休憩を挟むことが望ましい。そうすれば集中力や注意力を高いレベルで維持することができるはずだ。運転や体力に自信のある人のなかには、無休憩で何時間も走り続ける人がいるが、耐久レースに出るレーシングドライバーでも2時間以上は連続して走らないもの。トイレや食事の欲求がなくても、マメにSA・PAに立ち寄ろう。