4月の統計結果は今後の販売不振の序章か……
新車販売自体は、もちろんいまのような緊急事態化では鈍っていくのだが、それでもほかの一部業種のような、壊滅的なダメージを受けるレベルまではいかないと見ている。
平時よりも、感染リスクを下げるために電車通勤からクルマ通勤への変更や、生活必需品のまとめ買いのためのクルマ利用など、外出自粛が叫ばれるなかやむを得ない理由での移動の際の感染リスクを下げるため、クルマの利用というものが見直されているためだ。
それだけでなく、昨今の新車需要では乗っていた愛車がかなり古く、10年以上経過し致命的な故障が発生したなどによるものも目立つからである。
ただ、新車を購入したいという消費者が減っているからという理由だけでなく、外出を誘発してしまうため、たとえば新型車の発表展示会などの店頭イベントは開催できない。さらにこの時期でも、新車に興味があって来店したお客がいて、来店アンケートなどに氏名や住所などの記載をしてもらっても、やはり外出を誘発してしまうので、セールスマンから「その後いかがですか?」とか、「今度お店に試乗に来ませんか?」という、販売促進のアプローチは手控えざるをえないと、販売現場では判断している。
「いまできるのは、愛車の点検・整備のために店頭にきていただいたお客さまが、作業待ちをしている間に『新車はいかがですか?』といった販促アプローチをすることぐらいしかできません」(新車セールスマン)。
4月の新車販売台数統計結果は、今後の新車販売不振がいつも以上に深刻化する、まさに“序章”にすぎない。新車販売については壊滅的なダメージは受けないとの見方が大勢を占めるが、人類がいまだ経験したことがないといわれる、いまの事態下では先が見通せないなか、セールスマンはできる範囲で販売促進活動を展開するしかなさそうだ。