景気低迷などでも落ち込みの少ない軽自動車も大幅ダウン
自販連(日本自動車販売協会連合会)と、全軽自協(全国軽自動車協会連合会)より、2020年4月の新車販売台数が発表された。それによると、登録車の販売台数は17万2138台で前年同月比74.5%、軽四輪車の販売台数は9万8255台で前年同月比66.5%となった。
2008年秋に起こったリーマンショック直後の2009年4月の新車販売台数の前年同月比(2008年4月との比較)と、2020年4月の前年同月比(2019年4月との比較)を見比べると、登録車は2009年4月より2020年4月のほうが落ち込みは少なく、軽四輪車は2020年4月のほうが落ち込みは大きかった。だいたい景気低迷や大規模自然災害発生後しばらくは、購入費用やランニングコストの押さえられる軽自動車のほうが販売の落ち込みは少ないのだが……。
4月に入ると7日に一部地域に新型コロナウイルス感染拡大による、緊急事態宣言が発出され、その後全国に発出が拡大している。そのなかで、登録車については3月までの受注残(受注はしたが、登録そして納車がまだ済んでいない)車両のなかで、4月に登録ができ納車となった車両(登録車は当該月登録台数でカウント)が、新車の新規受注の落ち込みを下支えしたものと考えられる。事実4月になっても、販売現場へ出向くと納車を行っているところに遭遇することが多かった。
一方で、軽自動車が登録車よりも販売の落ち込みが顕著になっているのは、登録車よりも消費税率引き上げの影響をより大きくいまだに引きずっていることに加えて、今回の新型コロナウイルス感染拡大も影響したものと考えられる。
日系ブランドでは、新型コロナウイルス感染拡大による需要低迷などを受け、どこも一時的な工場の操業停止など生産調整を行っている。そのため、この時期に新車を購入すると、納車時期が読めなくなっている。「平時ならば受注時に納車予定時期をお客さまにご案内できるのですが、いまはできなくなっております」とは、現場のセールスマン。
平時ならば、販売店があらかじめストックしている、販売店在庫車の販売が大原則となる軽自動車でも、納期が読めないのは例外ではない。「新車販売トップを独走しているホンダN-BOXでも、一般的なボディカラーで、一般的なオプションを装着した仕様でも、工場へのオーダーとなると、納車は4月末に契約したとしても、7月あたりになるといわれています」とは業界事情通。
生産調整を行い、販売店在庫もわずかというなかなので、平時のような販売店などの名義での自社届け出による販売台数の積み増しも減少傾向にある。そのため販売統計上は、より軽自動車のほうが販売の落ち込みが大きいように見えてしまうともいえよう。
N-BOXは、当初8月あたりにマイナーチェンジを行う予定となっていたようだが、販売現場では、今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ずれ込みそうだと見ている。