日産が東京モーターショーに出展した軽規格EVが未来のヒント
では、電動化時代において基本的にエンジンで走り、せいぜいマイルドハイブリッドしか搭載が難しい軽自動車は生き残ることができないのか。
軽自動車の未来は、一足飛びにピュアEVになる可能性がある。エンジンと2基のモーター、バッテリーを積むストロングハイブリッドよりも、バッテリーこそ大きくなるがエンジンが不要でモーターも1基で済むEVのほうがコストダウンの可能性が大きい。
海外でもフィアット500やルノー・トゥインゴといった小型モデルにピュアEVが登場するという流れになっているが、小型EVの場合はバッテリー搭載量をほどほどに抑えて、近距離移動のモビリティとして割り切ることで価格と利便性のバランスを取ろうという流れがある。
そうした商品企画は、日本市場でいえばまさに軽自動車が担うべきカテゴリーとなろう。
実際、2019年秋に開催された第46回 東京モーターショーにて日産が出展したコンセプトカー「IMk CONCEPT」は、2020年代という近未来を想定した軽自動車サイズのEVだ。それも既存の軽自動車をEV化するというのではなく、軽自動車規格に合わせた新開発の革新的なEVプラットフォームを採用しているというコンセプトだった。
日産の軽自動車といえば、三菱自動車と共同開発していることで知られているが、三菱には元祖量産EVといえる「i-MiEV」で軽自動車規格のEVという経験とノウハウがある。ゼロエミッションビークルのニーズがどのように盛り上がってくるのか断言ではできないが、2020年代後半には軽自動車のメインストリームはピュアEVにシフトしはじめるかもしれない。
そうなれば、軽自動車というカテゴリーはますます輝くことだろう。