やっぱりノーマル? 改造車の個性もアリ? 規制緩和で超多様化しているタクシー事情 (1/2ページ)

タクシー車両はもともとすべて改造車だった

 大昔のタクシーと言えば、トヨタ・クラウンや日産セドリックが当たり前であった(小型タクシーではトヨタ・コロナや日産ブルーバード、三菱ギャランなどもあったが)。後席ドアの開口面積など、タクシー車両としての要件に関する規制が厳しかったことが背景にある。

 2015年に国土交通省はタクシー車両の要件緩和を行った。すると、街なかには個人タクシーだけでなく、法人タクシーでも多彩な車両がタクシーとして走るようになった。とくに目立ってきたのがミニバン系。もともと片側(助手席側)もしくは両側の後部スライドドアが自動で開閉できるということで、タクシーとしての自動ドアへの改造が必要ないというのも大きかったようだ。

 かつてのクラウンコンフォートやY31セドリックといっても、“タクシー専用車”ではなく、あくまで“営業車”というカテゴリーでラインアップされていたので、タクシー車両として使う前には、自動ドアに改造する必要があった。つまり、“タクシー車両=改造車”であったのだ。現在ラインアップされている日産NV200タクシーの基本スペックは、ガソリンエンジン仕様となり、LPガスで走らせたいならば、LPガスタンクなどを設置してLPガスも燃料として使える“バイフューエル仕様”に改造することになるが、この改造を請け負っているのは、走り屋のみなさんにはお馴染みの、あの“HKS”となっている。

 おもに個人タクシーとなるが、乗務員の好みに合わせてさまざまな改造を施しているタクシーも目立つ。違法改造はもちろん御発度だが、合法的な範囲でそれぞれ行っているものと考えられる。

 足まわりなど、メカニズムの改造だけでなく、車内オーディオにこだわり真空管を使ったシステムなどで、“おもてなし”をしようとする個人タクシーもあったりした。

 ただ、いまだにタクシーと言えば、法人タクシーではトヨタJPNタクシーへ切り替わりつつあるが、個人タクシーではクラウンが圧倒的に目立つ。これはタクシーとしての販売台数が多いので、とくに東京などの大都市では販売店のバックアップが手厚かったり、タクシーとして走っている台数が多いので、再生部品も豊富にあるなどのメリットもあるが、日本の道路環境にマッチした、とくに乗り心地の良さも大きいようだ。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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