トヨタ2000GTも採用! 「紙のように軽い」とまで評されたマグネシウムホイールが広まらないワケ (2/2ページ)

ガリ傷厳禁など取り扱いが少々難しいのがデメリットか

 一方、デメリットはというと、酸化しやすいのでガリ傷を作ってしまったらすぐに補修する必要があるということ。アルミ合金に比べるとマグネシウム合金は衝撃そのものにも強くなく、熱処理で工夫したり、デザインでもできるだけ分散できるようなものにするなどして対策している。また、理科の実験でやったようにマグネシウムは燃えやすいのだが、最近は難燃性のものが開発されたので、その点は問題にはならなくなっている。

 価格についてはメリットが大きい割に、サイズによってはアルミホイールと比べてもそれほど高くないモデルもある。たとえば8本スポークでお馴染みのワタナベでは同じデザインやサイズでアルミとマグネシウムの両方を用意していて、それで比較しても1本あたり、1万5000円から2万円ぐらいの差だ。

 トヨタ2000GTなど走りにこだわるモデルが標準装着していたものの、純正での採用が進まないのは価格というよりも、扱いにくさが理由と思っていいだろう。たとえばガリ傷ができたら、すぐに補修するというのは、やはり一般ユーザーには無理な話ではなかろうか。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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