【試乗】圧雪路でのコントロール性が抜群! SUV乗り必見のトーヨーのオールシーズンタイヤ (2/2ページ)

ハンドルからの手応えが鮮明であることが強み!

 ちなみに昨年8月に発売したタイヤだが、市場要求に迫られて急遽作ったタイヤではない。じつは欧州や北米では2015年から発売していたタイヤで、好評だったことと、冒頭で示した日本での市場要求が高まったため、導入することを決めたのだ。

 その乗り味は、圧雪路であればスタッドレスのように走っても、裏切られないほどのグリップ感がある。それは雪にザクザクとブロックが刺さるブロック剛性があるからで、結果としてハンドルからそのグリップ感がズシッと伝わってくるため、安心して走れるのがいい。もちろん過信は禁物ではあるが、オールシーズンってどうなんだ……と疑って走ると、こんなにグリップするのかと驚かされるはずだ。

 ちなみに、スタッドレスタイヤと比べると、やはりセルシアスはブロックやタイヤのケース剛性が高いので、圧雪路でもブロックが刺さり辛いほど圧が掛かった路面、言うなればこのままだといずれアイス路面になるという路面だと、圧倒的にスタッドレスのグリップが勝る。アイス路面に近づくほどにグリップレベルが急激に下がる感覚がある。だからこそ、毎年スタッドレスタイヤを必要に迫られて履いている方にはオススメしないというわけだ。

 しかし、その硬さのおかげで、コントロール性はズバ抜けてよく、スタッドレスタイヤにありがちなフニャッとした感じや、軍手をして運転しているようなあやふやなステアリングの手応えではないので、若干乗り味としては硬めに感じたものの、とても気持ち良く運転できたのが特徴だ。ちなみにこのハンドルからの手応えの正確さや鮮明さこそ、他のオールシーズンタイヤと比べたときのセルシアスの武器。やはりSUVを想定してつくり込まれているだけあり、タイヤ剛性が高い分ハンドルからの手応えが鮮明になっているということだ。

 ロードノイズも調べたかったが、アスファルト路面がなかったため今回は断念。しかし、スタッドレスタイヤ特有の「ゴー」という音は、ブロックがよれて戻る時、正確には細かいサイプがよれて口を開け、閉じるときの音であるが、それはパターンを見る限り少ないはず。

 冒頭に述べたケースを感じていながら、そろそろサマータイヤへの替え頃だと言う方は注目して損はしないはずだ。


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