【試乗】圧雪路でのコントロール性が抜群! SUV乗り必見のトーヨーのオールシーズンタイヤ (1/2ページ)

セルシアスは重量級のモデルに適したオールシーズンタイヤ

 首都圏を基軸に生活していると、年間に数回の積雪に悩まされる。また旅行先などで季節外れの突発的な雪に積もるのでは? とドキドキする。そんな予想外の降雪に右往左往するのではなく、ドシッと構えてカーライフを過ごしたいと思っている方は、このタイヤに注目して損はないだろう。

 トーヨータイヤが2019年8月に日本導入を開始したオールシーズンタイヤ、セルシアスがそれだ。今回は北海道のテストコースでの降雪環境を走ることが出来たのでリポートしていこう。

 まず先にお伝えしておくが、オールシーズンタイヤが適しているのは、冒頭に書いたとおり年間数回の積雪や降雪環境の走行を強いられて苦労している人だ。間違って欲しくないが、スタッドレスタイヤの代わりにオールシーズンはいかが? という選択ではなく、あくまでサマータイヤで冬期に困るケースがある方はこのタイヤも良いのでは? ということ。

 しかしながら市場調査をしてみると、思いのほかこのような苦労を経験している人が多く、オールシーズンタイヤへの反響が大きいのが現状。だからこそ、いま徐々にこの市場は成長しており、トーヨータイヤ以外にもオールシーズンタイヤを提供するメーカーはある。そんななかで、このセルシアスの特長は? というと、SUV向けのオールシーズンタイヤと踏まえると理解が早い。別の視点で言えば、重量級のモデルに向けた商品であり、トーヨータイヤが得意とする左右非対称の仕上げにより成り立ったタイヤだ。

 具体的には、まずベースとしては、サマータイヤではゴムが硬化してグリップレベルが急激に下がる極低温時でも発熱を促しグリップするようにシリカを高分散させた専用コンパウンドを使用。しかも耐久性まで考慮し、ナノレベルでシリカや天然ゴムなどをつなぎ止める“アクティブポリマー”を使用している。

 そのうえで路面に接地するトレッド面の外側は、ドライ性能とウェット性能を重視して、ブロックの倒れ込みを抑制するための補強を入れたり、周方向にブロックを連結させるなどのつくりを施している。

 対して内側は、スノー重視の作りで、ブロックの倒れ込みを防ぐなどは当然としながら、降雪路面で大事なひっかき効果とも言えるエッジ効果を求めてジグザグ形状のブロックを採用するなど、完全に作り分けている。まさに真っ直ぐの性能を内側に持たせ、旋回の性能を外側に持たせるトーヨーが得意とするミニバン専用タイヤの作りを、内側スノー、外側にドライとウエットとしたイメージ。


新着情報