ヘッドライトの「黄ばみ」「くすみ」から最新車でも逃れられないワケ (2/2ページ)

ポリカは耐久性はやや劣るが成形のしやすさと耐熱性がある

 そこで樹脂が登場し、具体的にはポリカーボネートという素材が使われている。ヘルメットのシールドやラジコンのボディにも使われているので、聞いたことがある素材かもしれない。ポリカと訳されることもあるこちらの素材を使うメリットは成形が簡単だったり、衝撃に強いから。

 ただし柔らかいので、傷が付きやすく紫外線に弱いという欠点がある。そのため、表面にコーティングをして対応しているものの、それが経年劣化などで剥がれてくると黄ばんできてしまう。また、黄ばみを磨いて取ってもすぐに元に戻ってしまうし、残っていたコート層をさらに取ってしまうので、みすみす被害を拡大させていることもある。

 そんな欠点だらけのポリカを使わないで、ほかの透明樹脂を使えばいいじゃないかと思うのは当然のことなのだが、ほかのは肝心の耐熱性に欠ける。ライトは発熱するので(LEDは除く)、消去法として耐熱性のあるポリカを使わざるを得ないのだ。自動車メーカーの担当者に聞いても「問題は重々承知しているが、解決策がない。コストも関係するし」と打開策はない感じ。

 ということで、今買ったばかりの新車でピカピカのヘッドライトもそのうち、確実に黄ばんでくる。ボディカバーをかけるとか、太陽を背にして止めるようにして、進行を遅くするように配慮するしかない。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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