じつは禁止事項! セルフスタンドで自動停止後の「チョビチョビ入れ」が危険な理由 (2/2ページ)

ガソリンは熱などによって膨張する!

 これに応える形で、各ガソリンスタンドの給油機には、「給油方法」の表示のなかに、「自動停止したら追加給油をしないでください。油があふれる恐れがあります」と明記されている。

「でも、オートストップで給油が停止したあとも、まだ入る余地があるじゃないか」と思うかもしれないが、乗用車のガソリンタンクはけっこう複雑な形をしていて、熱によるガソリンの膨張などを考えて、タンクの上部10%の部分は空気の層になるようにもともと設計されている(※ガソリンは温度が10℃上がると、容積が1.2倍になる)。

 したがって、カタログに書いてあるそのクルマのガソリンタンクの容量は、実際のタンク容積の約90%の数字。タンク内の油面が給油口に差し込んだ給油ノズルのセンサー触れて、オートストップが働いたということは、すでにタンクは満タンで、一部がインレットパイプにまで逆流してきている状態だということを意味している。

 ガソリン計量器メーカーの大手タツノによると、「オートストップ=満タン」であり、各計量機が誤差の範囲(検定公差)は0.5%以内と計量法で定められているので、非常に正確で信頼できるとのこと。

 というわけで、「ふきこぼれ対策」をまとめると以下の通り。

1.給油ノズルを奥に止まるまで確実に差し込む

2.給油ノズルのレバーが止まるまで確実に引く

3.自動的に止まったらそれ以上の給油はしない(絶対に継ぎ足しを行わない)

4.給油後は給油ノズルを確実に元の位置に戻す(ノズルの先端にオートストップのセンサーがついているので、ノズルを地面などに落下させるとセンターが壊れる可能性がある)

 以上を守って、正しい「満タン」、安全な給油を心がけるようにしよう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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