導入効果は絶大! 交通事故が大幅に減少した「ゾーン30」って何? (2/2ページ)

事故件数は23.8%減少と効果大!

 すでに平成30年度末までに全国で3,649か所が整備されていて、生活道路が通学路になっている区域や、公共施設など高齢者・子供が利用する施設等を含む区域、観光施設等多数の歩行者等の通行が想定される区域などが、その対象になっている。

 ゾーン30での最高速度が30km/hに制限された根拠は、自動車と歩行者が衝突した場合、自動車の速度が20~30㎞/hだと致死率が0.9%だったのに対し、30~40㎞/hとなると歩行者の致死率が、2.7%に急上昇することがわかったため。

 ゾーン30として整備された道路には、路面に緑の表示で「ゾーン30」と記したり、これまであった中央線を抹消し、路側帯を設置・拡幅したり、狭さくやバンプ(路面の一部を凸状にする)を設置したりして、速度を抑制するよう工夫されている。

 気になるその効果だが、警察庁交通局によると、平成28年度末までに全国で整備した「ゾーン30」(3,105か所)において、整備前年度の1年間と整備翌年度の1年間における交通事故発生件数を比較したところ、事故件数は23.8%も減少。歩行者自転車事故に限っても19.4%減と、かなりの事故抑制効果があったと報告されている。

 また、通過交通量の抑制効果もあったとされ、今後も通過交通の抑制や自動車の走行速度の抑制の要望がある場所を中心に、ゾーン30の整備を進めていく動きがある。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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