時代に逆行! 絶滅寸前! それでも小排気量ターボやHVじゃ味わえない大排気量エンジンの魅力 (2/2ページ)

排気量が大きい方が贅沢で豊かな気分に浸れる

 走りに過不足はないのでストレスを感じることもなく、これでヨシと思いながら十分幸せなカーライフが送れるものの、ダウンサイジング系エンジン搭載車から、そうではないエンジンを積んだクルマに乗り換えると、ハッと気づかされる。常に大きな排気量を自然に吸い込んで燃やすエンジンの心地良さ、あるいは大きな排気量をさらに過給して得られるトルクの魅力を思い出してしまうのだ。やはり、アクセルをわずかに踏み込んだときのエンジンの反応や得られるトルクの質がより高いと感じさせる。

 フルに動力性能を発揮させたときの炸裂感も、排気量が大きいとより圧倒的だ。今でも人の感性は、クルマの排気量はそれなりに大きな方が、より贅沢で豊かな気分に浸れるものなのである。

 4リッターぐらいのV8がエンジンのスタンダードとする感覚のアメリカでも、売れ筋モデルにはダウンサイジングエンジンを用意するのが当たり前になっているが、だからと言って従来のデカイエンジンも駆逐されることなく存続し、多くの人から支持されている。

 カマロやマスタングなどのスペシャルティカーでは2リッター4気筒が用意されるものの、アメリカ車の最強スポーツカーたるコルベットは最新のC8型でもダウンサイジングは用意せず、6.2リッターのV8エンジンで勝負している。エンジンの搭載位置は変えてもエンジンそのもののキャラは変えなかった。カマロやマスタングでも、4気筒とV8を乗り比べると「らしさ」が満喫できるのは間違いなくV8の方だ。

 地球温暖化の問題がさらに深刻化すると、もはや気持ち良さとか官能性といった部分は諦めざるを得なくなる風潮が加速するだろう。もしかすると大排気量エンジンを楽しめるのは今の時代が最後になるかも知れないので、乗れる人は乗れるうちに味わっていただきたい。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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