AT限定免許じゃ味わえない! 軟弱者拒否のMTしか選べなかったクルマ5選 (2/2ページ)

スポーツ性能やMTの魅力をわかりやすく伝えられるものも

3)ロータス・エリーゼ

 エンスージアストの国、イギリスのロングセラーライトウェイトMRスポーツ。1999年のデビューから現在にいたるまでさまざまな改良が加えられ、バリエーションも豊富に展開してきたが、ATの要望はほとんどなく、発売から21年経った今もATが搭載される予定はまったくない。

 真性のエンスー向けだけあって、MTの性能やフィーリングの向上には余念がなく、2018年モデルからは画期的な「エクスポーズド・ギアシフト・メカニズム」を採用。シフトレバーの根元の構造物とその動きが丸見えになることで、ライトウェイトらしさとMTの魅力をさらにわかりやすく表現している。

4)ホンダ・ビート

「日本の名車」を語る上で外せない存在となった、軽自動車のMRスポーツカー。同世代のライバルであるカプチーノはATも選べ、エンジンはターボ付きで速かった。だがビートのほうがクルマ好きからの支持が高かったのは、MTしかなかった硬派さと、そのMTの操作フィールが素晴らしかったことも大きなポイントになっている。

 シフトは軽自動車ながらホンダのスポーツカーらしく手首の返しだけで操作できるショートストロークで、非力ながらバイクのように反応がよく軽やかに回るエンジンの、狭いスイートスポットを探って速く走らせる面白さは、ATのターボでは味わえない魅力だ。

5)オートザム・AZ-1

 FRPボディのガルウィングドアをはじめとするデザインや安全性の低さ、バブル経済期の拡張路線の失敗を象徴するマツダ5チャンネル体制など、クルマ好きが振り返って楽しめるネタの塊としても大人気。

「スポーツカーはMTに限る」とのイメージがまだ残っていた時代だったとはいえ、企画段階からMTオンリーというところは、ホンダ・ビートと同じく硬派なスポーツ性を目指した志の高さを感じさせる。急激なオーバーステアなど、伝説的に語られるスリリングな操縦性も、ステアリング操作に集中しやすいATなら、もう少し御しやすかったはず。MTがAZ-1の名声をさらに高めたのかもしれない。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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