モデル3を買う理由はEVだからではなくテスラだから
日本人にとってテスラを買うおもな理由は「新種のプレミアムブランドだから」、ではないだろうか。「EVだから」は、あくまでもブランド価値の裏付けに過ぎない。価格についても、1000万円級であることが、良い意味でプレミアム感を出している。
ライバルとしても、モデルSやモデルXは、メルセデス・ベンツやBMWが該当するのだが、けっしてガチンコライバルではない印象がある。
そのため、モデル3が、メルセデス・ベンツのCクラスやBMWの3・4シリーズのように、日本でのセールスボリュームを取れるかどうかはわからない。「EVだからモデル3を買う」というユーザー層が、現状では見えてこない。
モデルSとモデルXについては、富裕層のなかでの口コミが主体で販売が支えられてきた印象があるが、モデル3では、メーカー・ディーラーサイドが日本市場を強く意識したマーケティング戦略を進めることが必要だと感じる。
日本は、日産「リーフ」と三菱「i-MiEV」が2010年から世界に先駆けて発売され、充電インフラを含めてEVが走りやすい環境が徐々に整ってきた。だが、アメリカや中国などのように行政がEV販売台数を義務化するような政策をしていない。EVはあくまでも、ユーザーの購買意欲に頼った商品だ。
モデル3が近い将来、ホンダ「e」やマツダ「MX-30」などと共に、日本の街中で数多く出会える日がくることを期待したい。