主要8メーカーで1社だけ! スバルが自社開発のコンパクトカーを作らないワケ (1/2ページ)

スバルが自社開発したコンパクトカーはかつてのジャスティのみ!

 今も昔も、安価で便利なクルマといえばコンパクトカー。欧州市場で言うところのBセグメント車の開発と販売に力を入れるメーカーは多い。トヨタはヴィッツを国内向けもヤリスに改名し、スポーツモデルをWRCに参戦させてイメージアップに成功。ホンダはフィット、マツダはMAZDA2(旧デミオ)など、国内メーカー各社には魅力的なコンパクトカーがラインアップされている。そんななか、SUBARUは長らくOEM供給車しかコンパクトカーを販売していない。その理由は何なのか?

 一言でいえば、「今のSUBARUにコンパクトカーを自社生産するメリットはない」ということに尽きる。

 コンパクトカーは国内市場では一定数が見込めるものの、利益率は低く、Bセグ車はSUBARUが得意とする北米市場では拡販が望めない。それゆえに、これからコンパクトカー用のプラットフォームやパワートレインを新規開発してまで参入するのは極めて厳しい話だ。仮に筆者がSUBARUの経営者だったとしたら、まだ当面コンパクトカーとミニバン市場には手を出したくないと考えるだろう。もしコンパクトカーの販売に力を入れるのなら、新規で自社開発するより、提携を強化したトヨタからヤリスをOEM供給してもらうほうが、はるかに効率的だと考えるのではないだろうか。

 今年の後半に発売される予定の次期型レヴォーグがデビューすれば、SUBARUの乗用車のラインアップは、SGPと呼ばれる新世代プラットフォームに統一され、効率化がさらに進む。このSGPをベースにBセグメントのクルマを作ることができれば、比較的現実的な話になりそうだが、開発エンジニアにそれを尋ねると、簡単なことではなさそうだ。

 歴史を振り返ると、スバルが自社開発したコンパクトカーはジャスティ(1984~1994年)のみ。これは軽自動車のレックスをベースにボディを拡幅したもので、プラットフォームなどの基本コンポーネンツから専用に企画、設計したコンパクトカーを販売した実績はない。リッターカー級はほかに7人乗りコンパクトワンボックスのドミンゴが存在したが、これも軽自動車サンバーの拡幅版だった。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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