ベースはヤマハ発動機が開発したパフォーマンスダンパー
剛性アップパーツのように見えてじつは違う、それがここで取り上げるCOXボディダンパーだ。一見すれば突っ張り棒のように感じるかもしれないが、その一部には減衰力を発生させるダンパーが備わり、車体が発生させる微振動や歪みを収束させている。
ベースとなるのはヤマハ発動機(以下、ヤマハ)が開発していたパフォーマンスダンパーで、古くはトヨタ・クラウンアスリートVXという300台限定車に標準採用されたことから始まったアイテムだ。ちなみにパフォーマンスダンパーはそれ以来、200万本以上を製造、販売してきた歴史ある商品だ。
COXボディダンパーは基本的な部分をヤマハが開発。それをベースにCOXが取り付け部の設計、そしてセッティングを担当。COXは1978年の創立以来、レースで得た知見を武器にパーツ開発を行ってきた名門中の名門。ヤマハとCOXのタッグはかなり心強い。
だが、それで終わりじゃない。数多くの車種に展開するため、VW以外の車種に関してはそれぞれのクルマに精通しているスペシャルショップがセッティング、販売、取り付けに関わっている。今回ご紹介する車種でいえば、スバル・レヴォーグはSYMS(シムス)、BMWはStudie(スタディ)、ミニはAMSECHS(アムゼックス)、トヨタ・ハイエースはFET(エフイーティー)、そしてトヨタ・エスクァイアはDTEC(ディーテック)といった感じだ。
ここまでの協力体制を整えたのにはワケがある。それは取り付けブラケットの厚みや形状によって、乗り味が変わってしまうというのがひとつの要因だ。また、取り付ける際にはトルク管理などを適正に行わないと旨味が出てこないというノウハウもあるそうだ。
さらに、減衰力に関してもヤマハは20種類ものパターンを準備し、それを前後に組み合わせて装着するパターンが多いのだが、これらすべてを車種別にベストセッティングさせることには、マンパワーが必要だったということもあるだろう。いずれにせよ、走り込みを行い、かなり繊細に仕立てられたその乗り味はかなり興味深い。
今回はその効果を感じるために、それぞれの車種でボディダンパーの取り付け有無による状況変化をチェックする。同乗者目線のインプレッションは、ワタクシの妻であり後席の乗り心地にはかなりうるさい、まるも亜希子に担当してもらうことにした。