アメリカでは富裕層や有識者がハイブリッド車を所有し始めた
軽から高級車まで、日本ではさまざまなタイプのハイブリッド車が販売されている。あまりクルマに興味のない人ならば、自分のクルマや家族のクルマが、ハイブリッド車だとは知らない場合もあるだろう。それほどまでに、日本ではハイブリッド車が浸透している。
一方、海外では国や地域にもよるが「最近になってやっとクルマ選びのなかで、ハイブリッド車も考えようか」という雰囲気になってきた。
そもそも、海外メーカーの大手であるジャーマン3(メルセデス、BMW、VWグループ)とデトロイト3(GM、フォード、FCA)は、ハイブリッド車を「トヨタによる、特異なシステム」と位置付けていた。
2000年代、ハリウッドスターなどのアメリカのセレブが「地球環境に役立つ」という観点から第二世代プリウスに乗るようになり、富裕層や有識者の間でハイブリッド車の所有が増えた。
だが、一般ユーザーにとっては、通常のガソリン車より価格が高いこと、またSUV市場が拡大してもハイブリッドのラインアップがほとんどなかったことなどから、本格普及に結びつかなかった。状況が徐々に変わり始めたのは、第三世代プリウスが登場した2010年代前半以降。だが、環境対応ではテスラが急伸して、ハイブリッド車のお株を奪ってしまった。