商用車は空荷状態だと足がとても硬いのが特徴
高速道路で遭遇する意外と速いクルマ。その代表的な存在が商用車だ。とくにトヨタのハイエースやプロボックス、日産のNV系など、商用車のど定番モデルが高速道路をカッ飛ばすシーンを遭遇するのは珍しいことではない。
流石に、荷物を目一杯満載にした状態では走行車線をゆっくり走っている場合が多いが、空荷かそれに近い状態の商用車は、気持ちよく飛ばしているのをよく見かける。商用車が速い理由はどこにあるのか。
実際に運転してみると、商用車は空荷状態だと足がとても硬く感じられる。大量の荷物を積むなど大きな荷重がかかることを前提としているので、基本的にスプリングはかなり硬めだ。ハイエースではリヤサスに板バネを採用するなど、乗用車とはかなり異なるサスペンションセッティングがなされている場合が多い。
そのため、空荷状態の商用車はガタピシ系の突っ張った硬さが強調され、運転フィールとしては決して気持ちの良いものではないものの、単純に足の硬さによるキビキビ感は得られる。
また、商用車はタイヤも硬い。高荷重耐性や耐摩耗性を重視し、高強度のベルトやケース材料を採用。幅は細めで扁平率は高めのサイズとなるので、硬いわりにはエアボリュームが多く、粘り強いグリップ感を発揮する傾向が強いのだ。
足まわりもタイヤも、スポーツモデルのような限界の高さこそないが、運転慣れしたドライバーにとっては、意外と攻められるシャシーセッティングになっている側面がある。