深刻な人手不足により定休日が設けられるようになった
月曜日は床屋で、火曜日が美容院。そして水曜日が不動産業というように、サービス業の業種によっては定休日(原則)が設けられていることがある。新車ディーラーもおおむね月曜日から水曜日のどこかで定休日を設けるのが一般的である。
しかし、筆者が見てきた諸外国では定休日は設けられておらず、世界的には珍しいといえる。アメリカではクルマのメンテナンスなど整備や点検を請け負うサービス部門は日曜日に休業とするところがほとんどのようだが、セールスマンは交代休とすることで、ディーラーの店舗そのものは基本的に年中無休で営業している。しかしアメリカでは月曜日にディーラーへ行くと、セールスマンがほとんどいない店舗が多い(休んでいる)。そのため余談だが、月曜日をねらってディーラーをまわり、カタログオタクである筆者はカタログを集めている。
日本の新車ディーラーは大昔「日曜日が定休日」というのが一般的であった。その後バブル経済と呼ばれる時代が到来して新車が飛ぶように売れだすころには、日曜定休が原則であったためメカニックは日曜に休みを取っていたが、セールスマンは日曜日を休日出勤扱いとしていた。その代わり、平日に代休を取るということにして“日曜も営業しています”とアピールしていたが、その後ほぼすべてのディーラーが日曜営業をするようになった。
そして最近では内勤部門も含め、日曜を会社全体の稼働日として平日を完全定休とするようになった。セールスマンは完全週休二日制が当たり前なので、定休日のほかに平日に交代で休むのが一般的となっている。
なぜせっかく年中無休にしたのに、再び定休日を設けるようになったかといえば、販売現場の深刻な人手不足がある。
つまり、交代で休みを取ると店舗対応が極端に手薄となってしまうのである。いまでも月曜日から水曜日の間で定休日のほかに交代で休みを取るのが一般的とされているようだが、配属されるセールスマンの人数が少ない店舗では、週の前半は出勤しているスタッフがかなり少ないので、“不要不急”というか、基本的に外出できないと嘆くセールスマンもいる。