2018年から新型車が出ていないのにスバルの販売台数が落ち込まない理由 (1/2ページ)

フォレスターのフルモデルチェンジから新車は登場していない

 クルマの販売用語に「新車効果」というものがある。フルモデルチェンジやニューモデルの登場時には話題となるため売れ行きが伸びるというものだ。もちろん、出たてのクルマというのはライバルに対してリードしている部分も多いだろうし、最新テクノロジーや便利な機能を搭載していることも多いので工業製品として魅力的というのもあるが、いずれにしてもデビューしたばかりでフレッシュな印象があるうちは売れ行きが伸びる傾向にある。

 そうした新車効果が薄れてくると売れ行きは鈍るわけだが、たいていのクルマが5~8年ほどのサイクルでモデルチェンジしていることを思うと、新車効果に頼って売れるようなクルマづくりではビジネスとして成り立たない。逆にいえば、新車効果が薄れても着実に売れるのが、自動車メーカー的には優秀なモデルといえる。

 さて、ここで話題にしたいのはSUBARU(スバル)だ。2018年9月にフォレスターをフルモデルチェンジして以降、新車を出していない。それでも2019年の年間販売台数(国内・登録車)は前年比マイナス11.9%の10万5075台と、10万台以上を維持している。2年連続での前年割れであるから販売が落ち込んでいないというのは言いすぎかもしれないが、日本カー・オブ・ザ・イヤー2016-2017に選ばれた「インプレッサ」の新車効果が失われても、このレベルに留まっているのはSUBARUがずっと続けてきた施策のおかげだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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